2009年11月12日木曜日

発酵道 その1

寺田啓佐さんの「発酵道」を読み終えました、面白くてためになるので2回も読んでしまいました、しまいには自分の感じたところをノートに書いていました、ノート3枚も書いてしまいました(笑)。
この寺田さんは、元々は造り酒屋さんではなくて普通のサラリーマンの家庭に育ったそうですが、養子として寺田屋本家に入ったそうです。
面白いことにこの寺田家は先祖代々跡取り息子が生まれないそうです、婿取りによって受け継がれ「娘婿が家を繁盛させてくれる」と言われてきた家だそうです。
最初は寺田さんも会社を繁栄させるために、利益を追求して「いかに売り上げを伸ばすか」「いかにコストを削減するか」と考え、酒の味や質より効率の良さ、生産性の高さの方を優先させ「寺田本家をまもらねば」「勝たねば」と努力したようです。
でもうまくいかない、時代は日本酒よりビールやワインなどの軽い酒類にブームが傾いていたようです。
しまいには、造り酒屋なのに居酒屋をはじめたり、そば屋をはじめたりと、いろいろやってはみたけど全てダメ。
結果、うまくいかないのは社員が悪いんだ、誰一人として自分の苦労なんてわかってくれないと外に当たり出した、そんなふうだから社員も一人辞め、また一人辞めと次から次へと辞めていった。
家の中では夫婦ゲンカが絶えなく、妻に不満を怒鳴り散らした。
そしてギャンブルにタバコにと… 結果、十二指腸潰瘍になり腸が腐ってくる痔瘻という病気になった、そして手術。
入院中「生きるとは」「人生とは」「人間とは」と考えた。
そして退院後、亡き父の師であった常岡一郎氏をたずねた、そして常岡氏が言われたのは「あなたの酒は役に立ちますか?」であった(この言葉僕の心にズサリと刺さりました)。
迷いの中にありながら常岡氏の言われた言葉が頭から離れない、そして次第に「人の役に立つ酒を造る」ことが人生のテーマになっていた。
今までコスト削減で安い米を使っていたのを止めて、無農薬の米に変えた、そして昔ながらの酒の造り方に変えていった、コストとか効率とかを度外視して酒造りに励んだ、結果「五人娘」という酒ができあがった。
この寺田さんがすごいと感じるのは、「五人娘」という酒を宣伝も営業もせず、利益だけを追求してきた今までの販売姿勢を捨て、競争しないこと、商売を大きくしないこと、儲けないことを念頭にただ売って欲しいという人だけに酒を届けることに徹したことだと思う。
そして「五人娘」は口コミで少しづつ売れていった。
その後、寺田さんは世にも珍しい玄米のお酒を造るのですが、この話はまたの機会に書こうと思います。
お酒を造るには発酵させないといけない、発酵すると言うことは微生物が働かなければできない、発酵の逆は腐敗です。
お酒を造るときには微生物君が一生懸命働いてくれます、寺田さんは言われます「微生物の世界はギブアンドギブつまり与えっぱなしの世界だ」と、微生物は自分の役目を終えると次の微生物にバトンタッチするように消えていくそうです、そうしてバトンタッチを繰り返し発酵してお酒ができあがるのだそうです。
一度今度機会があれば寺田さんのお酒を飲んでみたくなりました。
寺田さんの「発酵道」を読んでいるとき、自分の立場に置き換えて考えていました「自分の施術は本当に世の中の役に立っているのだろうか?」
寺田さんのように真剣に仕事と向き合っているのだろうかと考えながら読んでました。
この発酵道の中で好きな言葉がたくさんあるのですが、そのなかでも自分の心にズーンと残っている言葉を一つ書かせていただきます「自分のところに入れよう入れようとするんじゃない、吐き出しなさい、力も汗も親切もお金も、自分の持っている物は全て吐き出しなさい、吐き出したらひとりでに入ってくるから」です。
心の中で何度も何度も繰り返しこの言葉が往来します。
ちょっと中途半端な感じがしますが、すいません今日はこの辺で、また次回この発酵道の続きを書きたいと思います。




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